本日,朝食後,うちの年寄りがめずらしくのんびりと―忙しい人なので―茶の間で懐かしのファミコンゲームをやりながら(ハハハ),「仰げば尊し」を口ずさんでいた。ふと耳に入ったフレーズが「蛍の灯火(ともしび)」だった。あとで確認したら 3 番だよ(マイッタ)。しかも続いたのが,「はや幾年(いくとせ)」である。久しぶりに聞いた曲だったが,どう考えても変な気がした。鼻歌とはいえ,繰り返されると気になる。
調べようと思ったが,なんと題名が出てこない。何なんだよ☞自分。「いまこそわかれめ」で調べたら,すぐに「仰げば尊し」ということはわかった。「蛍の灯火(ともしび)」の次のフレーズは「積む白雪(しらゆき)」だと判明。これなら納得いくよな。
驚いたのは,「わかれめ」の解説をしているページが多かったことだ。「別れ目」という説明は間違いであるということも複数書いてあった。ということは,「別れ目」だと思っている人が,結構いるってことだよね。
明治時代の作詞らしいが,当時の歌詞って格調高いのが多いけど,その分現代人にはわかりにくい。歌詞の構成を見てみると, 1 ・ 2 ・ 3 番とも,ともにいた年月を思いやったのち,「今こそ別れめいざさらば」とくる。確かに「別れ目」と勘違いしても無理はないかもしれないが,「別れ目」では,この歌詞に込められた感慨が減るような気がする。「今別れむさらば」とさらっという代わりに,こそ+已然形の係り結び,そのうえ「いざ」だから,さあ新しい生活へという感じと別れがたくてつらいという感じの両方が,この短いフレーズであらわされて余りある気がする。名歌詞だよなぁ。
改めて考えてみると,自分の第一言語でも,意味を取るのって,結構難しいよね。翻訳って作業は,その辺をよくわからせてくれる。日本語から英語に訳せなくて悩んでいて,よくよく考えてみると,元の文章の主語が誰なのかつかみきれてないんだと分かったりする(苦笑)。まぁ,単純に語彙が少ないだけってこともあるが。
語彙っていえば,当然ながら,年代によっても「常識でしょ,この言葉は」ってのが違う。もちろん,年代だけでひとくくりにはできないが,この間「いまいち」という言葉のもとは「いまひとつ」なんだよと話していて,そう思った。古い辞書なんかを見ていると,その時代,どの言葉が勢力を持っていたかわかったりして面白い。「だらしない」という言葉はもとは「しだらない」なのだが,その説明に「煙管(キセル)をセルキというがごとし」と書いてある辞書があるらしい。この話の出どころは忘れた。今だとキセルの方を説明しないといけないな。「しだら」の方は,「ふしだら」という言葉にかろうじて残っている。
言葉は変わっていく。特に話し言葉の変遷は激しい。だからその辺は致し方ない面があるのだが,今後も漢字を使っていくなら,せめて,「今の現状は」とか「今朝の朝食は」とかいうのはやめてほしいなあと思う。
日本の識字率は 100% に近いわけだから,「今の現状は」とか「今朝の朝食は」とかはおかしいと思ってもらいたい。また,それとは次元の違う話だが,誤変換はどうなんだろ。私の周りでは近ごろはあまり話題に上らないけど,実際,「確率」を「確立」とか,「勘弁」を「簡便」とか,見るとイライラする誤変換も多いよねぇ。
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おはようございます。
言葉は時代とともにかわりますし、いつのまにか使われなくなる言葉もありますよね。しかも、うちのほうは方言も加わって県北と南じゃ会話がむずかしかったのですが、最近は方言もなくなりつつあります。
ということで明日から三連休。
すでに遊びにいくことばかりかんがえています。
くりくりさん,おはようございます。
こちらは,雨です。でも,そこそこ暖かです。
3 連休,いいですね。どこに行かれるんですか。
今週初めにくりくりさんからお尋ねのあった桜の開花ですが,うちの庭の桜は,まだまだです。梅は終わって,桃や杏や木瓜は咲いていますが,桜はもうちょっと先になりそうです。山間部ですから。でも,福岡管区気象台が開花宣言用に使っている木では,昨日の時点で 3 輪ほど咲いているそうです。 6 輪ばかり咲くと宣言するようなので,本当に,今日にも開花宣言があるかもしれません。
追記:
出ました。福岡でサクラ開花。今13:45ですが,午前中に出たみたいです。