陳腐な題名は,言い古されたダジャレですが,今月に入って爛熟の桜を背景に,鯉のぼりが舞い始めました。
毎年,大体「端午の節句」のひと月前あたりから,勇壮な魚影が見られるようになりますね。上の写真は見慣れた色と柄ですが,下のは微妙に華やか。上のほうは吹き流しと鯉だけしか写っていませんが,もちろん,こちらのほうも画面外右手に節句幟がたっています。
うちの辺りでは,庭に建てるときは,だいたいこの一揃いが多いです。皆さんの地域ではいかがでしょう。
ところでご存じでしょうが,文部省唱歌には鯉のぼりの歌は,2バージョンあります。低学年バージョン・高学年バージョンと言いますか……久しぶりに聞いてみてください。
こいのぼり 作詞:近藤宮子/作曲:不明
やねよりたかい こいのぼり
おおきいまごいは おとうさん
ちいさいひごいは こどもたち
おもしろそうに およいでる
こいのぼり 作詞:不詳/作曲:弘田龍太郎
甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
開ける広き 其の口に
舟をも呑(の)まん 様見えて
ゆたかに振(ふる)う 尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり
百瀬(ももせ)の滝を 登りなば
忽(たちま)ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり
家並みの上を元気よく泳ぐたくさんの鯉の姿が目に浮かびますが,実際は少子化のせいか若干さびしい現実であります。それから,歌からすると,昔は真鯉と緋鯉だけでしかも母親は含まれないというバージョンだったのでしょうかねぇ。