今朝,朝刊を取りに行ったら,「マイナンバーが通知されます。」という回覧板が一緒に入っていた。こんなの ↓ 画像上の赤丸は,もちろん,私の仕業である(爆)。
わが国には,古来,戸籍という制度がある。こんな制度はない国のほうが多いわけで,長寿世界一などと言っても,実は自己申告だけで,なんら客観的証拠が残っていないということがよくあるらしい。
その昔,エラリー・クイーンの「災厄の町」かなんかを読んだときに,どうしてこんなに重婚が簡単なんだ?と不思議だった。子供心に,戸籍でばれるだろうとか思ったんだが,アメリカには戸籍制度はないんだよね。
まあ,戸籍制度があっても,戸籍の売買とか偽造とかいろいろあって,身元を詐称しようとすれば,何でもありだとは思うが,そんな制度がない国よりは,ずっと面倒くさいことになると思う。
でもって,マイナンバーというのは,デジタル時代の戸籍制度と看做せないものでもないが,デジタルデータの一元管理というのが,大きな問題点だ。便利なものは,なんでも両刃の剣だが,「マイナンバー」も例外ではないだろう。
このデータの公権力による悪用というものは,もちろんありうるだろうが,当面気がかりなのは,そっちじゃなくて,こっちみたいなのの件。例の年金機構の件は言うまでもないが,そういうデータを扱うだろう組織のセキュリティが,こうザルの状態なのに,こんなシステムを導入するというのは,どういうもんなんかね。わかって,やってるのかしら。こんなことをやる以前に,デジタルリテラシーの強化に努めるべきだろう。前に,「普通の人たちの教育を投げてしまったら,日本らしさが消えてしまうと思っています。」と書いたことがあるんだが,その辺はどうなってるんだろう。
日経の記事にも,「敵は「本気」だ」というのがあったが,こんな情勢の今日,こんなことを始める政府っていうのは,どうも背筋がゾクゾクするというものである。法案の通った 2013 年 5 月 24 日ころと比べても,ザル運用によって生じる恐れのある国民の危険性は,ものすごく増大していると思う。そういえば, APT 攻撃について「速さにたじろぐ。」という記事を書いたのは, 2013 年 11 月 14 日だった。法案通過の半年後だな。
優れた能力があって権力のある人物は恐ろしいが,適切な能力を持たないのに権力を握っちゃった奴というのはもっと怖いよという悲しい事実が,歴史にはいっぱい転がっているんだよね。日本の防衛に必要なホワイトハッカーがものすごく不足してることをもっと認識して,国内の教育に,力を注いでほしいなぁ。昨今のように,議場で力づくで採決やってる場合じゃないと思うんだが……こういうと,詰め込みを復活させようとする輩がいるけど,その辺は,ちょっと,立ち止まって考えてくださいね m(_”_)m。
まぁでも,実際問題として,運用が始まれば,避けては通れない。日本在住なんだからね。
くれぐれも上記リンク先のようなインシデントが起きませんように。クワバラクワバラ。泥縄でも仕方ないから,今からでも足元を見据えて,デジタル面での保安強化に取り組もうよ。それには,まず,教育だと思うよッ。我々成人も含めてのね。