「ウォシュレット。」への電右衛門さんのコメントに力を得て,TOTOのウォシュレットSX TCF331の修理に取り組んでみた。始めたのは,7/8(金)だった。ほぼ2週間の経緯を,ここでは整理して書いていくが,手探り状態の実況を読みたいという方は,ぜひ,電右衛門さんの掲示板(記事No.37~No.131)にお運びいただきたい。
話を始める前に,お約束で以下のことを書いておこう。TOTOのパーツセンターの注意書きに,朱書きで次の文章が書いてある。この注意書きは,販売できないことしか謳っていないが,販売しないということは,言外に,ユーザーがこれらの修理に手を出すことは認めないし,何かあっても関知しないということ言っているのである。今からこのブログで書くことを,メーカーは勧めていないし,何かあったときにも賠償はしてくれない。当サイトも,同じ方針である。やってみようと思う方は,あくまでも自分の責任で行なうようにお願いする。
- お客様へ末永く安全・安心にご使用いただくために、お客様での修理・交換が出来ない部品(例:ウォシュレット・給湯機等の内部部品や電装部品)に関しましては、販売ができません。あらかじめご了承願います。
さて,話を始めよう。当たり前だが,まず,「ウォシュレット。」の手順で,TCF331を取り外す。ところで,画像上の数字は丸付きだが,文章内は,環境依存文字の関係で,括弧付きで行きます。
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とにかく開けなければいけないので,図1の(1)のつまみと,(2)~(6)までのネジを外す。つまみは,上に引っ張れば抜ける。(7)~(10)に爪があるので,折らないように気を付けて外す。
- 図2は開けたばかりのところ,ほこりだらけだね。(1)のところには,便座ヒーター用のコードがソケットでつながっているので,無理やり引っ張らないこと。ヒューズをつくづく見てみたが,切れていないみたい。開けてはみたが,どこをどうすればいいのか,さっぱりわからないので,この時点で電右衛門さんの掲示板に駆け込んだ。
- (2)はウォッシャーのノズル。
- (3)は排水管。右のほうに同じ番号のパイプがあるが,これが排水管につながっている。排水といっても,実体はあふれた水が出てくる管で,一度使われて後の排水とは違う。
- (4)は排水溝で,見えている中では(6)と(7)がこれにつながっている。これも(3)と同じで,あふれた水が出てくる溝。
- (5)はウォッシャーへの給水管で,右のほうにある(5)のところにつながっている。
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図2の水道接続ジョイントにつながっていた給水管を,そっち側だけ外して,水勢テスト(図3)。用心しながらやっていたのだが,分岐金具止水栓を5°ばかり緩めたら,一気に勢いが強くなって1mばかり吹き上げ,頭から水をかぶってしまった。ということで,ここは問題なし。
- 最近のウォシュレットだと便座スイッチがあるらしいが,TCF331は出始めの機種なので,便座に人が座っているか座っていないかを判断して,ウォッシャーの水をコントロールする機能は,ついていなかった。
そういえば,出始めのウォシュレットで,なんだろうと思ってスイッチを押したせいで,ずぶ濡れになったって話が,結構あったよね。したがって,つなぐのは給水管と電源だけで,テストの準備は完了(図4)。すぐに,セットしたり外したりできるように,便座はボルトで留めないほうがよい。
- ウォッシャーのノズル自体は壊れていなかったようで,水を出したまま引っ張ったり押したりしていたら,超スローだが,伸びてくるようになった(図5)。
汚れがひどかったので,きれいに掃除した。また,ノズルの出し入れに関係するゴムベルトが少し劣化していた。20年物としてはましだと思うが,超スローな動きの原因のひとつはこれだろう。画像では,ノズルの左の管からも相当量の水が出ているが,この時点では,これが単なる余剰水の排水管であることは,分かっていなかった。
- ウォッシャーのノズルのチェックのために,水勢を最強にしてみた。正常品だと,60cm~70cmの高さまで水が上がるらしいが,30cm~40cm位しか上がらないし,図2の(3)から出る水の量が全然といっていいくらい変わらない。
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図6の3本のネジを外す。左側の小さい窓内は上が外した部品(十字ゴムとプラスチックの蓋)の裏表,下は外した後の受けのほうの状態。画像を撮ったのが別の段階なので,はまっていたパイプや蓋と同じ色の貯水枡なども外れている。この時点では,パイプは1本も外していないし,枡もついたままなので,気を付けること。
- 図6の十字ゴムはかなり白く汚れていたので,きれいに掃除した。画像でプラスチックの蓋に張り付いているパッキンは,そのまま使った。プラスチックの蓋を外したまま,弁になっていると思われる十字ゴムを指で押さえ,ウォッシャーテストを行ったところ,蓋を外したままではノズルからは全く水が出なくなった。
図2の(3)から出る水の量は相変わらず。ひとつ新たな問題が発生。十字ゴムを押さえたまま,水圧を上げたとき図7の赤丸の部分から水漏れがあった。やはり,あちこち弱っているんだなぁ。
- プラスチックの蓋をセットしてネジを留め,ウォッシャーテストを行ったところ,ノズルから水が出る。図6の下側の小窓の青矢印経由の水が,白い不透明の給水管に送られるためには,蓋をしておかなくてはいけないようだ。図2の(3)から出る水の量は相変わらず。
しかし,ノズルから水が出ているのは,実は大進歩。この修理に取り掛かる前は全く出なかったんだから(図8)。
- ここで改めて,4本のパイプを流れる水の方向を確認したところ,図9のようになっていた。また,オレンジ色の線で囲んだ基板をめくってみると,緑の矢印で示されたパイプを通る水だけが,ノズル横の排水管を通って排出され,(ア)(イ)を通る水と(ウ)からあふれる水は,図9の小窓で示すような白い矢印方向にまとめられ,ノズル横の溝のほうに排出されることが分かった。
したがって,4本のパイプを流れる水のうち,ここまでに全く改善していないのは,緑の矢印で示されるものだけであることが判明した。この水がどこからきているか探すことにした。
- 黒い帯状のコード下を見せてほしいという電右衛門さんからの指示で,表示基板を外し,図10の赤丸のネジを4個外して,蓋をめくると,ここにも十字ゴムがあった。
このゴムもそれほど劣化しているようには見えなかった。図6の十字ゴムと比べてもそれほど汚れているようにも見えなかったが,ひとまず,このゴムやはまっていた管の頭部分をきれいに掃除した。そうそう,表示基板を外すときの注意として書いておくけど,押さえ金具とバネをなくさないようにね。
- このゴムを指で押さえて,通水試験をすると,ビンゴ。図2の(3)からの水がぴたりと止まった。ただ,ここでひとつ,後で問題を引き起こす不具合が起こっていた。図7の赤丸部分の水漏れがここでもやはり起こるのだ。
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十字ゴムを指で押さえる代わりに,押さえになるものを,この間網戸を貼ったときのゴムビートの残りで自作した。温水に強くて,弾力があって長持ちのする物なら何でもよいのだが,家にあるものでほかのものが思いつかなかっただけの話。太さが1本分では足りなかったので二重に巻いて太くし,接着剤で張り合わせたが,心もとないので,上から被覆付きの細い針金で締めた。圧力を測る装置などないので,何度も試験して,気長にゴムの長さを調節した。(図11)
- 後は組み立てるだけ。その前に,適切な水勢を調べ,そこのところで止水栓に印をつけた。組み立てるときに気になったのは,図7の赤丸部分の水漏れ。指の入る範囲はゴム糊で目張りしてから,組み立てたんだけどねぇ。
何はともあれ,一件落着。これが,21日の話。下の動画を見てください。GOODでしょ。
で,「やったぜ」ってことだったんだけど,後日談があるのだ。orz
追記(7/31):
上には書いていないが,ひとつ疑問に思っていたことがあった。なぜ,十字ゴムの補強にあんな長さの補強具がいるのだろうということだ。もともと,十字ゴムの構造と圧力発生のメカニズムが,今一つ,つかめていない。十字ゴムの頭(十字側)のほうにバネでも入っていたのだろうかと,不思議に思ってきた。
昨夜,
juneさんの掲示板に別件で書き込みをしたときに,juneさんが
> 私は十字の所に追加されたゴムの厚さが気になって眠れません(嘘)
> 素材にもよるのでしょうが、バネの効果が生かせるなら
> 追加ゴムの高さは1mm以下だと思うのですが・・・・
> ブログを拝見させていただいた限りかなり厚めのようですね?
> もっとも、何回も調整されての結果とお書きなので
> 私の思い違いかも?です。
と書かれていた。ああ,やはり同じところを不思議に思われるのだなと思い,ブログを読む方もそうだろうなと思って,この追記を書いている。補強具に使った材料の性質にもよるだろうが,なんでなんだろう。ゴムを指で押さえて無駄水を留める試験をした時点でも感じたことだ。十字ゴムを置いてあるだけで,この指で押さえているほどの力が得られるのだろうか?と。
何か根本的に思い違いをしているのだろうか。