何が何になったかというと,右の図のようになったってこと。
では,地道に説明していく。いっぺんに全部書くから長いです(笑)。
実は,今年の夏ごろに,うちの年寄りの寝室のテレビの音が,聞こえなくなった。本人,「聞こえなくなった」と言っただけで別に何の要求もしないので,放っておいた(大概,いい加減-汗)。ところが,ぼちぼち寒くなりだしたら,「音が壊れてるんだけど」と再度アピールが来た。冬になると,朝,寝床から起きて茶の間に直行するのは,寒いから嫌になってきたらしい。部屋が暖まってからおもむろに起きてくるわけ。「電器屋さんに連絡すれば」と冷たいことを言ったのだが,実際はまあ私が電話した。
昔からの付き合いの電器屋で電話をしたらすぐに来てくれる。テレビもそこから買ったもので,PD-42MW2 という2002年ごろのやつ。当然地デジには対応していなくて,DT35 というマスプロのデジタルチューナーをつけて使っていた。
調べてくれて,「部品がないかもねぇ」と言いながら問い合わせてくれるということで,帰っていった。で,結局,部品はなかった orz。
プラ容器アンプに変身
電器屋は買い替えのためのカタログを持ってきてくれたのだが,どう考えても,もったいない。DT35は2009年にネットショップで買ったから,まだ,3年しかたっていない。買い替えとなると,DT35は出番がなくなる。今時,テレビっていうのは,漏れなくデジタルチューナー込み(つまり,内蔵)で買う羽目になるようだから。当たり前か。
PD-42MW2 の画面はバッチリ映る。2回も足を運んでくれた電器屋には申し訳ないが,なんか方法はないだろうかと考え始めた。音が出なくなってから,故障はテレビのほうと決めつけて,チューナーを全く調べていなかった。電器屋には,申し訳なくてそこまで頼まなかった。彼のとこで買ったもんじゃないしネ。もし,故障がチューナーのほうなら,まだ,修理が可能なはずだし,やっぱりテレビの音の故障だったということであれば,チューナーから音が取り出せるかもしれない。
チューナーの音声出力は赤白のRCA端子だったが,変換オーディオコード(ピン2-ステミニ)+中継アダプター(ステミニジャック-ステミニジャック)+インナーイヤーヘッドホン(音量調節付)でつないでみると,聞こえた!!! 結局故障はやはりテレビのパーツのほうだったわけだが,聞こえたときは,「やった」と思ったね。
しかし,ここで問題発生。本人に使わせてみると,「聞こえない」と言う。老人性難聴という難敵を忘れていた。長い付き合いなので,悪いなと思いながらも,例の電器屋に手だてを聞いてみた。ちゃんとアンプを買うと結構な値段がするという。ミニコンポのアンプなら使えると言われたが,我が家に1台しかないコンポ(アンプは,PIONEER A-X900,確か80年代半ば製と思う)は,いまだ我が部屋で現役だ(汗)。
ここで,juneさんのところ の掲示板(転載) に「何かいい方法はないでしょうか」というSOSの書き込みをした。「ラジカセはどうですか」と「LM380を使ったパワーアンプ自作 (リンク先のサイトがなくなったようです )というのは,どうですか」という2種のサジェスチョンを,juneさんとFHさんからいただいた。
自作というのは,敷居が高いのでひとまず置いておいて,1台だけ残っていたラジカセで試してみた。いいアイデアだと思ったんだが,うちにあったやつは,録音状態にしないと音がモニターできない仕様でダメ。何か代わりになるものはないかなあと,ガラクタ置き場を見直していて,使わなくなっていた14型のアナログテレビが目についた。確か音声は生きていたはずとつないでみたら,十分聞こえる。
その後,FHさんから「昔のパソコンについていた外付けスピーカーのアンプの入っているほうを使う,というのはどうですか」という案をいただき,手持ちのPCスピーカーがないことを書き込むと,juneさんから「遊んでいるのがありますよ」というありがたいお返事をいただいた。しかし,まずは,リアルの知人に使っていないPCスピーカーを聞いてみることにし,当面は古テレビの利用でしのぐことに決めた。
10日くらいで,リアルでのPCスピーカー入手は無理ということが決定したのだが,ここまでの過程で,PCスピーカーのスピーカーを外して,その基板をアンプとしてのみ使うことを思いついた。そうすれば,自分でアンプを組まないで済む。それに,スピーカーがあれば当然音が聞こえるが,ということはイヤホンジャックが抜けると,難聴の人間が聞くために最大にしている音量で,イヤホンを通さないものが響き渡るわけで,これは使っている本人にしても心臓に悪い。寝室ではイヤホンしか使わないので,スピーカーはないほうがいいのだ。
そんなわけで,結局,juneさんのご厚意に甘えることになったのだが,送ってくれる前に,juneさんはPCスピーカーを分解 し,FHさんのご指導で,外す予定のスピーカーと並列に,100Ωの抵抗器を入れた状態にしてくださった。なにしろ,私が半田ごてを持っていないもので(汗)。しかし,今回PCスピーカーを受け取った後,都合でスピーカージャックを外すのに一苦労したから,こういう機会があるなら,半田ごても持ってたほうがいいかもと思う。
juneさんは一度ばらしたものを,再度,組み立てなおして送ってくださった。pmで,スピーカーネットを取り外すと,4本ねじがあるということも知らせてくださったので,簡単に開けられた。早速,スピーカーを外して,自分の耳でイヤホンによる音量チェックをしてみた。使用者本人のチェックではないが,十分聞こえそうだ。
基板を外してみたら,100mm x 70mm 位しかない。スピーカーを使わないなら,もっと小さい入れ物にしたい。「タッパー」のようなものを使うといいというFHさんのご指導があったのを思い出して,台所の戸棚の中をひっくり返して,初めの画像のプラ容器に決めた。この容器,確か頂き物で保存日が示せるようになっていたりと,しゃれた入れ物なんだが,あまり使っていない(爆)。おかげで新品ではないのに,新品みたいだった。
うまいことに,中に水切りがついていて,これをくり抜くと基板の固定台に使えそうだ。図1のようにまずは穴を頼りに切り落とし,その後できるだけ裏側の配線に当たらないように穴の形を整えた。
次に,図2のように左側のスイッチが台からできるだけ飛び出すように,固定した。じかに置くよりも,基板の下にしっかり隙間ができるので,いいんじゃないかと思った(素人の思うことだから,当たってるかどうかは保証しないヨ)。図2の青丸は,元々スピーカーがつながれてた位置に入れてもらった抵抗器(多分,100Ω - カバーはめくってみなかったが)。赤丸のところは,左スピーカー出力用のジャックがついていたが,これがあると,ケースにもう一つ余分に穴を開けなくてはいけないので,無理やり外した。外しながら,基板を割ったり裏側の配線を切ったりしないかと心配だったが,結果オーライ。が,冷や冷やしたヨ。
図3が台ごと基板を固定したところである。容器の角が丸いので水切り台も角が丸い。基板の左側の両角をニッパーで少し切り落とした。容器の4つの穴は,なんでかうちに電動ハンドドリルがあったのでそれで開けて,あとはカッターで整形した。スイッチが回せるように思い切り左に寄せて固定したんだが,基板も容器も自作でない悲しさ,右側の電源・イヤホンジャックが穴に届かない。まぁ,今回の用途ではこの2つは抜き差しする必要がないので,穴をキチキチに開けて鞘までグリグリと押し込んで済ませた。これでかえって抜け防止になるし,ホコリも少しは防げるだろうから,一挙両得,自己満足(大笑)。
で,図4がふたを閉めたところ。電源コードと抵抗器をつないだところはぶらぶらするので,基板に触れないように絶縁テープでふたの裏に貼り付けた。
図5が設置したところ。容器が白なので,暗いところだと穴なしでも十分LEDの明かりが見える。使用者本人に試させたところとてもよく聞こえるということで,バンバンザイ。この大きさだと,ベッドのヘッドボードにおけるので,寝たまま操作できるのがいいと気に入ってくれたようだ。頭の上に落ちても大丈夫なくらい軽いしネ。先の古テレビ代用アンプは面倒なので,2回くらいしか使わなかったといわれた。出来上がったのがちょうど本人の誕生日だったので,これを今年のお祝いにした(エへへ)。
図1 台
図2 枠に結わえる
図3 結構うまくはまった。
図4 ふたを閉めると
図5 設置してみた
頂いたPCスピーカーは,BostonBA265である。juneさんの掲示板の転載許可をいただいたので,掲示板でのやり取り とスピーカーの分解写真のページ を載せてある。そちらもご覧ください。
juneさん,FHさん,お世話をかけました。ありがとうございました。m(_”_)m